Phone 18 Proでは絞り(F値)を選択できるようになり、星空撮影でも撮影の自由度が大きく増しました。 その一方で、設定項目が増えたことで「どの設定が星空に最適なのか」「iPhone 17シリーズから実際にどれだけ画質が進化したのか」は、むしろ分かりにくくなっています。
そこで今回は、iPhone 18 Proで保存形式、F値を変えながら星空を撮影。最適と思われる設定を探したうえで、iPhone 17 Pro、iPhone 17とも比較しました。
結果は、iPhone 18 Proは設定の自由度こそ増したものの、今回の星空撮影では17シリーズに対する明確な画質上の優位性は確認できませんでした。 ただし、F1.48は撮って出しで最も明るく、天の川も目立つため、一目見たときのインパクトは今回の中で最大でした。
1.検証条件
使用したのはiPhone 18 Pro、iPhone 17 Pro、iPhone 17の3機種。OSはいずれもiOS 27です。
可能な限り条件を揃えるため、同じ三脚に固定し、ほぼ同時刻に同じ星空をナイトモード30秒で撮影しました。撮影方法はiPhoneで天の川・星空撮影の限界に挑戦 撮影完全ガイドに詳しく記載しています。
比較では主に、星の数、小さな星の見え方、ノイズ、画像全体の明るさ、星の形、星の周囲のにじみを中心に確認しています。
2.JPEG vs HEIF vs ProRAW
まず保存形式から確認します。 iPhoneではJPEG、HEIF、ProRAWを選択できます。星空撮影ではProRAWが推奨されることも多いですが、本当にProRAWを選んだ方が高画質になるのでしょうか。 iPhone 18 ProのF1.48で、同じ星空を撮影しました。
iPhone 18 Pro JPEG / HEIF / ProRAW

ProRAWについては、撮影したDNGファイルをLightroomで特別な調整を加えず、そのままJPEGとして書き出しています。全体を見る限り、JPEGとHEIFにはほとんど差を確認できません。
一方、ProRAWから現像した画像は、JPEG/HEIFに比べて全体が青〜シアン方向に寄っています。
さらに同じ部分を拡大します。
iPhone 18 Pro JPEG / HEIF / ProRAW

拡大してもJPEGとHEIFの差はほとんど分かりません。 対してProRAWでは、明るい星の周囲に青いにじみがはっきりと現れています。
背景にも色ノイズが増え、星の数などの情報についても、JPEG/HEIFに対して明確に優れているとは感じません。 星空撮影でのJPEG/HEIFでは、端末側で色補正、ノイズ低減などの画像処理が行われており、それが有効に働いていると考えられます。
特に今回ProRAWで目立った星周囲の青いにじみは、Lightroomで簡単に消せるものではありません。 ここで重要なのは、「ProRAW=JPEGより高画質」というわけではないことです
ProRAWは「完成画像の画質を自動的に上げる形式」ではなく、あくまで現像するための素材を残す形式です。
今回の星空撮影では、ProRAWを選ぶことで得られる明確な画質上のメリットは確認できませんでした。むしろJPEG/HEIFのほうが、星の色、ノイズ、にじみを含め、最初から完成度の高い画像になっており、編集も行いやすいです。
そのため、以降の比較ではJPEGを使用します。
3.画素数は気にしなくていい
iPhone 18 Proでは12MP、24MPなどの記録画素数を設定できます。しかし今回の星空撮影では、設定した画素数にかかわらず実際の記録画像は12MPとなりました。
そのため、今回のような星空撮影では画素数設定を大きく気にする必要はなさそうです。 以降は画素数による比較は行いません。
4.F値はどれを選ぶべきか
iPhone 18 Proでは絞り(F値)を変更できるようになりました。星空撮影では、F値によってどの程度画質が変わるのかを比較します。
F値による違い

全体を見ると、F1.48が最も明るく、F値を大きくするにつれて画像全体が暗くなっていきます。絞る(F値を大きくする)ほど取り込める光量が減っていることが分かります。
続いて拡大します。
F値による違いを拡大比較

F1.48は最も明るく、小さな星までよく写っています。その一方で、明るい星の周囲には光のにじみが目立ち、背景のノイズも増えています。
F1.8ではF1.48より空が暗くなるものの、星の数に大きな差はありません。星の形はより丸く締まり、周囲のにじみも少なくなっています。背景ノイズとのバランスもよく、完成画像としてはF1.8のほうが整って見えます。
F2.8、F4.0まで絞ると星周囲のにじみが目立たなくなる一方、小さな星が失われる影響のほうが目立ちます。
したがって今回の撮影では、用途によって二つの設定が有力です。
明るさと情報量、撮って出しのインパクトを重視するならF1.48。
星のにじみ、ノイズ、全体の完成度を重視するならF1.8。
明確に一方が優れているというより、それぞれ性格が異なります。
そこで以降の17シリーズとの比較では、iPhone 18 Proの代表としてF1.48とF1.8の両方を使用します。
5.iPhone 17シリーズから星空画質は進化したのか
ここからが本題です。iPhone 18 ProのF1.48とF1.8を、iPhone 17 Pro、iPhone 17と比較します。
iPhone 18 Pro F1.48

iPhone 17 Pro

iPhone 18 Pro F1.8

iPhone 17

iPhone 18 Pro F1.48が最も明るくインパクトがあります。一方で全体を見ると、明るさの傾向としては、
iPhone 18 Pro F1.48 ≒ iPhone 17 Pro
iPhone 18 Pro F1.8 ≒ iPhone 17
となっており、この2組が比較しやすく見えます。そこで、それぞれ同じ場所を拡大します。
iPhone 18 Pro F1.48 vs iPhone 17 Pro

iPhone 18 Pro F1.48では明るい星の周囲に青いにじみが目立ちます。一方、iPhone 17 Proではにじみは目立たず、星と背景の境界も明瞭です。星の数も同程度であり17 Proが明確に劣っている点が見つけにくいです。
撮って出しでは18 Pro F1.48が明るいですが、星のにじみなどを含めた完成度では17 Proのほうが優れていると感じます。
iPhone 18 Pro F1.8 vs iPhone 17

iPhone 18 ProもF1.8にすることで星のにじみはかなり軽減されいます。それでもiPhone 17のほうが青いにじみが目立たず、星一つ一つもくっきりしています。さらに背景の空の色も自然でノイズも少ないです。拡大するとiPhone 17のクオリティの高さが際立ち、iPhone 18 Pro F1.8よりも完成度が高く見えます。
6. 可変絞りを含む新しいシステムは発展途上か
iPhoneの星空撮影は世代を重ねるごとに洗練されてきました。特にiPhone 17シリーズは固定絞りの光学系と画像処理の組み合わせが非常に高い完成度に達しているように思えます。
一方、iPhone 18 ProではF1.48の大口径レンズと可変絞りという大きな変更が加わりました。こうした変更がある以上、まず疑われるのが光学系そのものです。
実際、iPhone 18 ProはF1.48からF1.8まで絞ることで星のにじみは改善しましたが、それでもiPhone 17と比較すると、星の周囲には青いにじみが残っています。つまり、レンズなどのハードウェアに何らかの要因があることを示唆しています。
ただし、同じiPhone 18 ProでもJPEG/HEIFでは、ProRAWをLightroomで現像した画像より青いにじみが大幅に抑えられています。この結果から、18 Proの撮像データに現れる色にじみを、JPEG/HEIF生成時の画像処理がかなり補正していると考えられます。
それでもJPEG/HEIFでiPhone 17の星像に届いていないことを考えると、新しい大口径・可変絞りの光学系に対して、ソフトウェア側の補正がまだ十分に最適化されていないかもしれません。
今回の結果だけで原因を断定することはできません。レンズ、センサー、画像処理など複数の要因が関係している可能性があります。ただし、少なくとも今回の星空撮影では、iPhone 18 Proの新しい大口径・可変絞りシステムは、ハードウェアと画像処理の組み合わせとして、まだ発展途上にあるように見えます。
もし差の一部が画像処理の最適化によるものであれば、今後のiOSアップデートによって星のにじみやノイズが改善される可能性もあります。一方、光学系そのものに由来する部分があれば、それはソフトウェアだけで完全に解消するのは難しいでしょう。
結論
星空撮影だからといってProRAWを選ぶ必要はありません。今回の比較では、JPEG/HEIFに対する画質上の優位性は確認できず、むしろJPEG/HEIFのほうが扱いやすく完成度も高い傾向がありました。
iPhone 18 Proでは絞りを変更できるようになり、星空撮影の自由度は増しました。F1.48、F1.8が星空撮影に向いていると考えています。
しかし今回のメインカメラによる比較では、F1.48、F1.8のどちらについても、iPhone 17シリーズを明確に上回る星空画質は確認できませんでした。ただしF1.48には撮って出しでは明るくインパクトある星空が撮影できます。
