iPhone vs Pixel vs Galaxy:望遠レンズで圧縮効果は実現できるか?

スマートフォンのカメラ性能が向上しており望遠レンズも目覚ましい進化を遂げています。望遠撮影で特徴的な「圧縮効果」を再現するのは難しいとされていますが、iPhone 16 Pro、Pixel 9 Pro XL、Galaxy S25 Ultraといったハイエンドモデルでは可能でしょうか?望遠レンズの使用は単に「遠くの被写体を拡大する」だけではなく、その特性を活かした撮影が求められます。これらのスマートフォンの望遠レンズを比較し、圧縮効果がどの程度実現できるのかを詳しく検証していきます。

望遠レンズと圧縮効果の関係とは?

望遠レンズは、遠くの被写体を大きく、鮮明に撮影できるのが特長です。しかし、ただ遠くのものを拡大して撮るだけでは、その本来の魅力を活かせているとは言えません。「近づいて撮れば済む話」と思われないためには工夫が必要です。そのため望遠レンズの使い方はとても難しいと思います。そこで注目したいのが「圧縮効果」です。この効果をうまく使えば、望遠レンズならではの印象的な写真を撮ることが可能になります。

圧縮効果とは、遠くにある物体と近くにある物体の距離感が縮まることで、まるでその2つの被写体が重なって見えるようになる現象です。被写体までの距離が離れているほど、この圧縮効果が強くなり、写真に独特の深みを与えることができます。 また、同じ構図を広角レンズで撮影し、後からトリミングしても圧縮効果を得ることは可能ですが、その場合、画像が荒れてしまい、望遠レンズのような繊細な表現は難しくなります。そのため、圧縮効果を活かしたい場合、やはり望遠レンズを使うことが最適です。

スマートフォンによる圧縮効果の実現

最近のスマートフォンは、望遠レンズの搭載に加えてソフトウェア処理が進化しており、(画像が荒れていない)圧縮効果も実現できるかもしれません。特に、iPhone 16 Pro、Pixel 9 Pro XL、Galaxy S25 Ultraは、それぞれ最高スペックの画像処理技術が搭載されており綺麗な圧縮効果も期待されます。 以下は、3機種で撮影された10倍望遠のトリミング画像(20倍望遠相当)で、圧縮効果の違いを見てみましょう。撮影地点から城まで約2.7km、背景にある山まで約36kmです。

iPhone 16 Pro

iPhone 16 Proは、色の濃淡が少なくやや暗いためか落ち着いて見えます。そのため全体的に柔らかい印象を受けます。30km以上離れた城と山がしっかりと重なり、まるで一つの風景のように見えているのが圧縮効果です。

Pixel 9 Pro XL

Pixel 9 Pro XLは、iPhoneと比べると全体的に明るい色調で色の濃淡が少し濃くなっているように思えます。

Galaxy S25 Ultra

Galaxy S25 Ultraは、Pixelと比べると色の明るさは控えめでiPhoneと同じくらいかもしれません。しかし非常にくっきりとした画質が特徴です。その結果、背景の山がしっかり強調され城の真後ろにあるような印象を受けます。一方、iPhoneやPixelは背景の山が少し薄くなっており、同じ圧縮効果でも山がかなり遠くにあるという現実に近い印象をそのまま表現できています。城と山の大きさは同じはずなのに受ける印象はかなり違います。

なお、これだけの距離があるものを撮ろうとすると数十キロに渡り天候に恵まれないとそもそも城や山が写らなくなります。また遠くで動いているものを撮って圧縮効果を実現しようとすると難易度が桁違いに上がります。このため望遠レンズで圧縮効果を実現するといっても実際にはとても難しいと思います。

一眼ミラーレスカメラとの比較

意外かもしれませんが、これらのスマートフォンは一眼ミラーレスカメラと比較しても十分に綺麗な圧縮効果を実現しています。例えば、以下の画像はFujifilm X-T5で撮影されたもので、レンズはXF90mm F2.0を使用しています。スマートフォンで撮影した画像と同程度にトリミングしています。

むしろiPhone、Pixel、Galaxyの方が色の濃淡が強く、一つ一つの輪郭が明確です。一眼ミラーレスでは背景の山の写り方はPixelが近いように思えますが、それでも山全体が薄くなっており現実の36kmの距離をよく表現できていると思います。

一眼ミラーレスカメラでのJPEG撮影は、カメラ内部の画像処理が行われておりメーカーやカメラに特徴的な写真が出来上がりますが、そもそもレンズやセンサーなどの性能が十分でありカメラ内部での処理に意図的に派手な表現や過度な鮮明さを避けることが多いです。

一方で、スマートフォンはレンズ性能などが一眼ミラーレスカメラに劣るため、独自の画像処理アルゴリズムを使って色合いやコントラストを強調し、くっきりとした印象を与える傾向が強いです。これにより、同じ構図であってもiPhone、Pixel、Galaxyでも画像処理の方向性によって大きな違いが生じます。そのため同じ圧縮効果でも受ける印象が大きく違いました。

まとめ:iPhone 16 Pro、Pixel 9 Pro XL、Galaxy S25 Ultraの望遠レンズ性能と圧縮効果

iPhone 16 Pro、Pixel 9 Pro XL、Galaxy S25 Ultraは、それぞれ異なる画像処理アルゴリズムを使用しており、圧縮効果の表現において異なる印象を与えます。iPhone 16 Proは濃淡や明るさを控えた柔らかな印象を、Pixel 9 Pro XLは明るい色調を強調し、Galaxy S25 Ultraは非常にくっきりとした画質を特徴としています。これらの違いにより、同じ距離の被写体であっても、圧縮効果の感じ方に大きな違いが生まれることが分かります。