新しいレンズを選ぶ際に、価格や性能の違いに悩むことはありませんか?今回は、FUJIFILMのXF16-55mm F2.8 II(2024年12月発売)とSIGMAの18-50mm F2.8(2022年12月発売)の写り方を徹底比較しました。
価格と焦点距離の比較
- XF16-55mm F2.8 II: 約17万円
- SIGMA18-50mm F2.8: 約7万円
価格は変動しているため参考ですが大きな違いがあります。
どちらのレンズもほぼ同じ焦点距離をカバーしていますが、これだけ価格差が大きいため、どちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。今回は、三脚にカメラを固定し、レンズだけを交換して同じ条件で撮影しました。使用したカメラはX-T5で、撮って出し(編集前)のJPEG画像を比較しています。
比較条件
- 焦点距離: 同じ
- F値: 同じ
- ISO: 同じ
- シャッタースピード: 同じ
全て左がXF16-55mmF2.8 II(以下、FUJIFILM)、右がSIGMA18-50mm F2.8(以下、SIGMA)です。望遠、標準、広角のそれぞれについて絞り開放(F2.8)とF8で比較しました。
望遠(約50mm)
- 絞り開放(F2.8)
- ISO1250
- シャッタースピード1/1000秒
ほとんど違いがわかりませんでした。ややSIGMAの方が色が濃いような印象もありますが、日光による光の加減のわずかな違いや、カメラでは複雑なソフトウェア処理をしているため、処理の仕方の違いが出たかもしれません。
中央部分を拡大しました。
驚いたのですが、この画像に限って言えばSIGMAの方がほんのわずかに詳細な部分まで表現出来ているように思えました。言い方を変えればシャープな感じがしました。中央ではなく四隅付近も確認しましたが、同様にSIGMAの方がわずかにシャープに思えました。
- F8
- ISO1250
- シャッタースピード1/250秒
F値を大きくすると暗くなるため、シャッタースピードを遅くして明るさを調整しました。
これも大きな違いはありませんでした。同様に中央付近を拡大しました。
どちらも非常にシャープになっています。今回の画像ではFUJIFILMの方が色が濃く映っているかもしれません。これも光の加減やソフトウェア処理が影響している可能性があります。ですが色を除けばほとんど違いがわかりません。
標準(約35mm)
- 絞り開放(F2.8)
- ISO1000
- シャッタースピード1/8000秒
これも明確な違いは見られまん。中央より少し右下にある注意書きを拡大してみました。
下の文字では、わずかにSIGMAの方がはっきりしているように見えます。ただ上の文字はFUJIFILMの方が読みやすいかもしれません。
- F8
- ISO1000
- シャッタースピード1/2000秒
再び大きな違いはありません。というより同じでしょう。また注意書きを拡大してみます。
設定の違いから、全体が暗くなっています。これも下の文字はSIGMAの方がくっきりしていてFUJIFILMの方が上の文字は明瞭です。
広角(約18mm)
- 絞り開放(F2.8)
- ISO250
- シャッタースピード1/2000秒
これも明らかな違いはありません。中央から少し右にいる(おそらく)サギを拡大してみます。
シグマの方がくっきり写っているでしょうか。
- F8
- ISO250
- シャッタースピード1/250秒
これも違いがわかりません。サギを拡大してみます。
これに限って言えばSIGMAが少しぼやけています。
この他にも何枚か撮影して比較しました。開放ではSIGMAがわずかにくっきりすることが多かったような印象はありました。しかしいずれも何度も見比べているうちに目がチカチカしてくるくらいに違いはわずかなものでした。レンズによるぼけ方を重要視する風潮もあるかと思いますが、望遠で見ると背景のぼけ方まで同じでした。なお、個人的には背景はぼかすべきではないと考えており、以下で議論してるので参考にしてください。
写真の背景をぼかさない理由とは?写真に深みを加える方法を解説
写真の拡大でわずかな違いを見つけましたが、この差は重要な差なのでしょうか。それよりも撮影技術の方が写真の品質に大きく影響します。SIGMAは安価だからといって画質が悪いわけではなく、撮影の仕方が重要です。
まとめ
全体的に見ると、SIGMAは価格が安いながらも非常に優れた描写性能を持ち、写真のクオリティに大きな差は感じられませんでした。しかし、FUJIFILMのXF16-55mmF2.8 IIは、やや広い焦点距離範囲や低温耐性(マイナス10℃)などの利点があります。一方、SIGMAの18-50mm F2.8は軽量(285gでありFUJIFILMの410gよりさらに軽量)で持ち運びがしやすいという魅力もあります。
写真の撮り方や使用環境によって、どちらのレンズが最適かは異なるでしょう。写りの差は気にする必要なく価格と性能のバランスを考慮して、自分に合ったレンズを選ぶことが重要だと思います。