星空写真の周辺減光を残すべき場合

星景写真では周辺減光が生じやすいですが、この周辺減光を補正した方がいい場合、しない方がいい場合を実際の写真で考察します。

星景写真の周辺減光を補正する手段がいくつかあります(F値を大きくするなど)。

ただ、実際に周辺減光を補正するべきかはまた別の問題かと思います。まず二つの写真を用意しました。

どちらの写真も四隅にいくほど暗くなっています。これがカメラのレンズの仕組み上、どうしても生じる周辺減光となります。

上の写真は中央に木があり、主役となっています。下の写真は中央に何かあるわけでなく、主役はありません。それぞれが主張しすぎないような写真になっています。これらの画像の周辺減光を補正してみます。

今回はPythonを使って補正しました。自分で色々と試してみましたが単純に四隅いくほど平等に明るくするとどうしても不自然になってしまいました。風景が白っぽくなったことが原因かと思われます。そこで右上と左上にいくほど明るさを強く補正して右下と左下は弱く補正することにしました。

補正前の写真を上に、Pythonで周辺減光を補正したものを下に表示させました。まず木が主役となっていたものです。

星空全体がバランスよく明るくなりました。これはこれで綺麗だと思いますが、元の画像の方が木の周囲に星が散りばめられているような印象もあり、周辺減光があった方がより主役を引き立てているようにも思えます。

次の写真です。上が補正前、下が補正後です。補正を強くしすぎるとどうしても不自然になったので、空の明るい範囲を少し広くする程度にとどめました。

補正前は少し目が閉じているような、視野が狭い印象がありましたが、補正後は少し視野が広がったような印象になりました。この例では補正後の方がよい印象を持つかもしれません。

あくまで好みの問題ではありますが、今回の例のように主役がはっきりしている場合は周辺減光をあえて残した方が、主役がはっきりしないような写真は周辺減光が少ない方がいいかもしれません。