【スマホ星空比較】iPhone 17 Pro vs Galaxy S26 Ultra:ノイズ処理で結果に差

iPhone 17 ProとGalaxy S26 Ultraを用いて、星景写真の比較検証を行いました。

両機種の写真を比較した結果、「星空のノイズ処理」に対するアプローチが根本的に異なることが見えてきました。iPhoneは見栄えのするダイナミックな絵作りを効果的に行っているのに対し、Galaxyはソフトウェア処理の方向性が星空写真では不利に働いてしまっています。

撮影条件

・iPhone 17 Pro:ナイトモード 30秒

・Galaxy S26 Ultra:Expert RAW の天体写真モード、撮影時間「短い」(約3分)

・同じ三脚に固定してほぼ同時に撮影

露光時間は厳密な同条件では比較できません。 ただし、この条件差は今回の主題をむしろ分かりやすくします。露光時間そのものは Galaxy のほうが長く、取り込んだ光の総量では不利ではないはずです。それでも見栄えに差が出来るのは、主因が光の量ではなく、撮影後の処理にあると考えられます。

比較1:天の川を含む星空写真

iPhone 17 Pro

Galaxy S26 Ultra

iPhone は天の川が非常に目立ち、写真全体として迫力があります。Galaxy は色味こそ自然ですが、全体にメリハリが乏しく、平坦な印象です。

iPhoneの方が全体を明るく持ち上げている影響もありますが、最も大きな要因は「ノイズリダクション(ノイズ除去)処理」の違いにあると考えられます。

ノイズ処理は、写真のざらつきを抑え滑らかにする機能ですが、「小さな星」と「ノイズ」の区別がつかず、星まで消し去ってしまうデメリットがあります。今回の比較から、両者には以下のような処理の傾向が見られました。

・iPhone: 星が密集する主役(天の川など)のノイズ処理は控えめにして情報を残し、星が少ない夜空の背景部分は積極的にノイズを消してスッキリさせる。

・Galaxy:画面全体を均一に平滑化し、特に色のばらつきを抑える方向が強い。

ここの処理の違いがわかりやすい2か所を拡大してみます。

天の川の中心部(星が密集した領域)

iPhone 17 Pro(拡大)

Galaxy S26 Ultra(拡大)

iPhoneは多少のざらつき(ノイズ)は残るものの、天の川のガス雲の濃淡がしっかりと表現され、星の数も圧倒的に多く描写されています。
対してGalaxyは、ノイズは少ないものの天の川の濃淡が失われ、細かな星も消えてしまっています。これは、iPhoneが星の密集する部分ではノイズ処理を控えて情報を残しているのに対し、Galaxyでは全体を均一に平滑化し、色のばらつきを抑えようとした結果だと考えられます。Galaxyの処理では、小さな星まで「ノイズ(色のばらつき)」とみなされてしまったのでしょう。

次に、「天の川から離れた部分(星が少ない空)」を拡大します。

天の川から離れた部分(星の少ない空)

iPhone 17 Pro(拡大)

Galaxy S26 Ultra(拡大)

この拡大では、むしろiPhone のほうが滑らかかもしれません。星が密集していない領域では、iPhone は積極的にノイズを潰していると考えられます。 つまり iPhone は、同じ1枚の中でノイズ処理の強さを場所ごとに切り替えている可能性が高いです。主役である天の川は情報を残して賑やかに、星が少ない空はすっきりとさせています。つまり主役を引き立てるという点では非常に理にかなった賢い画像処理を行っていると言えます。一方 Galaxy は画面のどこでもほぼ均一に処理しているように見え、その結果ノイズの少ないクリーンな星空にはなるものの、メリハリと繊細さに欠ける淡泊な絵になっているのではないでしょうか。

比較2:微細な天体の描写(アンドロメダ銀河)

iPhone 17 Pro

Galaxy S26 Ultra

星が集まる画面左側から中央では、iPhone はノイズを残しつつも星数で上回ります。星が少ない画面右側に向かうほど、両者の差は小さくなっていきます。iPhoneの「星の密度によって変わる処理」がよく表れていると考えられます。

画面中央からやや左上にある「アンドロメダ銀河」の部分を拡大してみます。

アンドロメダ銀河(M31)の拡大

iPhone 17 Pro(拡大)

Galaxy S26 Ultra(拡大)

Galaxy では小さな星やアンドロメダ銀河の外縁部がほとんど描写されていません。周囲の空と色の差が小さい淡い部分が、背景と同じ色に均一化されてしまった結果だと考えられます。

まとめ:Galaxyの「設計思想のジレンマ」

検証を通して、両機種のコンセプトの違いが明確になりました。 iPhoneは、シャッターを押すだけでAIが主役を判別し、「撮って出しで最高に見栄えの良い写真」を作ってくれます。 一方、Galaxyの「Expert RAW」は、その名の通り「撮影後の編集(レタッチ)」を前提としたモードです。おそらくGalaxyは、編集時にノイズが邪魔にならないよう、あえてクリーンで滑らかな(ノイズを極力消した)画像を出力するよう設計されているのだと推測できます。

しかし、ここに大きなジレンマがあります。 天の川の淡い濃淡や、小さな星、アンドロメダ銀河の外縁といった繊細な情報は、撮影時に一度ソフトウェア処理で消し去られてしまうと、後からどれだけ編集で強調しても蘇らさせることは困難です。編集耐性を上げるためのノイズ処理が、結果的に編集するための「大事な情報(ディテール)」まで奪ってしまっているのです。

Galaxy S26 Ultraは、前モデルのS25 Ultraから大きな進化を遂げており、より明るくなったレンズや編集のためのギャラリーアプリとの連携は間違いなくトップクラスです(Galaxy S26 Ultra 星空撮影-S25 Ultraと徹底比較して見えたF1.4化の効果)。 だからこそ、それを活かしきるノイズ処理には、まだ伸びしろがあるというのが現時点の見立てです。