2025年1月現在、インフルエンザが大流行しています。インフルエンザ治療薬オセルタミビル(商品名タミフル)の効果や副作用をまとめました。
2024年1月現在、タミフルは深刻な供給不足に陥っています。外来でも散々処方されて各国のガイドラインでも処方推奨されています。ところで一般外来患者におけるタミフルの効果、副作用はどうしょうか。一般外来において、タミフルで入院を必要とするような重篤な合併症を減らせるかどうか、気になるところでしょう。2024年1月に最も権威ある論文雑誌の1つであるJAMAから最も質の高いとエビデンスとされるシステマティックレビューとメタアナリシス論文が発表されました(JAMA Intern Med. 2024. Jan 1;184(1):18–27.)。インフルエンザと診断された外来患者のタミフル内服による入院の予防効果があるかどうか調べられました。結論は以下のとおりです。
一般外来患者(青年期以降)における治療効果
- ・集団全体での入院リスク減少認められず
- ・65歳以上の高齢者においても入院リスク減少認めず
- ・入院リスクが高いと考えられる患者においても入院リスク減少を認めず
副作用
- ・吐き気、嘔吐などの消化器症状
他の論文では半日から1日程度症状は早く改善するとの報告もあり、約25時間症状が緩和されたとの報告もありました(Lancet. 2015;385(9979):1729-1737.)。まとめると一般外来ではタミフルで重症化を予防する効果は認められなかったけれども、症状は少し早く治まるかもしれないです。しかし嘔吐や吐き気などの副作用が出てくる可能性はあります。それに費用も合わせた判断になるかと思います。