多くの写真愛好家が一眼カメラを使って背景をぼかし、美しい写真を撮りたいと考えます。しかし、背景をぼかすことで写真の魅力が失われることもあります。以下では、具体的な例を挙げて、背景をぼかさないことで得られる利点を説明します。
使用したカメラはX-T5、レンズはXF56mmF1.2 R WRです。F1.2という開放値で撮影すると、背景を非常にぼかすことができます。
背景がぼけた写真の例
一眼カメラで絞りを開放して撮影すると、背景がぼけて被写体が際立ちます。例えば、次の画像では銅像の背景がぼけています。
設定はF1.2、ISO250、シャッタースピード1/8000秒です。この写真は一見すると背景がぼけて美しく見えますが、場所や季節の情報がわかりません。
背景がしっかり写った写真の例
次に、F値を絞って撮影した写真を見てみましょう。
設定はF13、ISO500、シャッタースピード1/250秒です。背景がはっきりと写っているため、この写真が札幌(駅)で撮影されたものであり、季節が冬であることがわかります。このように、背景までしっかり写ることで、写真を見返したときに撮影場所や季節の記憶が蘇り、写真がより奥深いものになります。ただ同時に背景にある段ボールや木などが邪魔ではないでしょうか。これらを写さないようにするにはどうしたらいいか、それでいて冬の札幌で撮ったことを情報に入れるようにしたらどうしたらいいか、考える必要が出てきます。そうです、一気に頭を使う必要が出てきました。このためF値を絞って背景を写すことはとても難しいです。
犬の写真で見る背景の重要性
次の画像は犬の写真ですが、背景がぼけているため、黄色い何かがあることしかわかりません。
次に、背景にあるおもちゃがしっかり写っている写真を見てみましょう。
設定はF5.6、ISO400、シャッタースピード1/500秒です。しばらくしてこの写真を見返したときに、当時どのおもちゃが好きだったのか、そのおもちゃをどこで買ったのか、どうして買ったのかなどの記憶が一気に蘇ります。また、おもちゃをじっと見て何を考えているのでしょうね。
一眼カメラとスマホの違い
ところで、一眼カメラとスマホの一番大きな違いはなんでしょうか。多くの人は背景ぼけを挙げるでしょう。しかし、今回の例のように、背景をぼかさないことで得られる情報や思い出の価値があることを考えると、スマホでも十分なことが多いです。
こちらの記事では一眼カメラとスマホを比較していますので参考に見てください。
Galaxy S23 Ultra プロモード vs 一眼カメラ
Galaxy Fold4 vs FUJIFILM カメラ比較
個人的には星空撮影において一眼カメラとスマホで大きな差が出てくると考えています。これも比較していますので参考にしてください。
また、一眼カメラやレンズの値段が高騰している中で、スマホではなく一眼カメラを買う理由をしっかりと考える必要があります。