iPhone 15と上位モデルのiPhone 15 Proを取り上げ、両機種の星空撮影性能を徹底比較します。最新のiPhoneシリーズはどちらも高性能カメラを搭載していますが、星空撮影においては明確な違いが見えてきました。ただし、iPhone 15 Proの優れたスペックが必ずしも「星空撮影において有利」とは限らない、意外な結果も明らかになっています。
天の川の「色合い」と「解像感」
まず注目したいのが、撮影される星空の「色合い」です。以下の写真は、天の川が最も明るく見える中心部を捉えたものです。
【iPhone 15で撮影】

【iPhone 15 Proで撮影】

iPhone 15は夜空を自然な「黒」で表現するのに対し、iPhone 15 Proは空全体がやや青みがかって写る傾向があります。また、iPhone 15 Proの写真には、黄色い帯状のノイズが見られることもあります。
次に、写真の同じ部分を拡大して、より細かく見てみます。
【iPhone 15(拡大)】

【iPhone 15 Pro(拡大)】

拡大すると、iPhone 15 Proはノイズ(ザラつき)が少なく、非常に滑らかな画質であることがわかります。しかし、その強力なノイズ処理が、かえって微細な星の光まで消してしまい、写る星の数が少なく感じられる原因にもなっています。
一方、iPhone 15はノイズが多いものの、小さな星々までしっかりと捉え、賑やかで力強い星空を描き出しています。
この違いから、写真全体の印象は次のようにまとめることができます。
iPhone 15:画質は少し粗いが、無数の星が写し出され、迫力がある。 iPhone 15 Pro:滑らかで美しいが、星の数が減り、どこか物足りない印象も。
このように、両モデルのソフトウェア処理には明確な差があり、それが必ずしもiPhone 15 Proの優位性につながっているわけではないようです。
写真編集の手間と仕上がり
もちろん、色合いの違いは写真編集アプリである程度近づけることが可能です。しかし、それぞれのスマートフォンの個性を活かした編集を施すことで、より魅力的な作品に仕上がります。
以下は、iPhoneに標準搭載されている「写真」アプリでそれぞれを編集した作例です。
【iPhone 15 編集後】

(編集項目:シャドウ -50, コントラスト 25, 明るさ -50)
【iPhone 15 Pro 編集後】

(編集項目:シャドウ -50, コントラスト 50, 明るさ -15, 彩度 -75, 自然な彩度 75, 暖かみ -75)
編集によって天の川や星の存在感がぐっと増し、元の細かな画質の違いは気にならなくなるかもしれません。ただし、iPhone 15 Proで発生しがちな黄色い帯状のノイズを消すには、「彩度」や「自然な彩度」、「暖かみ」を調整する必要があり、一手間かかる点には注意が必要です。
好条件での星空撮影
地表付近の星空や天の川を撮影すると、都市部の光の影響で星が見えにくくなることがあります。これに対して、空の真上に近い部分を狙うと、より鮮明で美しい星空を写せる場合が多いです。
【iPhone 15で撮影】

【iPhone 15 Proで撮影】

好条件のもとでは、iPhone 15の夜空はより深い黒に、iPhone 15 Proはより濃い青で表現されます。一方で、iPhone 15 Proの黄色い帯状のノイズは、こちらの作例でより目立っています。
同じく、写真の一部を拡大してみます。
【iPhone 15(拡大)】

【iPhone 15 Pro(拡大)】

ここでも、iPhone 15 Proは滑らかな画質、iPhone 15は小さな星まで捉える、という傾向は同じです。 街明かりの影響が少ない写真は、強い編集を加えなくても星を強調できます。
【iPhone 15 編集後】

(編集項目:コントラスト 25, 精細度50)
【iPhone 15 Pro 編集後】

(編集項目:コントラスト 25, 精細度50, 彩度 -75, 自然な彩度 75, 暖かみ -75)
調整項目は少なくても、元の写真の良さを活かしつつ星空を際立たせることができました。iPhone 15 Proの黄色い帯も、この編集で目立たなくなっています。
なお、特にiPhone 15では写真の中心が明るく、周辺が暗くなる「周辺減光」の傾向が見られます。コントラストを上げるとこの傾向が強まることがあるため、撮りたい星はなるべく写真の中央に配置するなどの工夫が有効です。
撮影条件による色合いの変化
基本的には「黒の15、青の15 Pro」という傾向ですが、撮影条件によってはiPhone 15でも空が青みがかって写ることがあります。
【iPhone 15で撮影】

【iPhone 15 Proで撮影】

この作例ではiPhone 15でも少し青に近くなりましたが、iPhone 15の方が天の川をよりくっきりと捉えている印象を受けます。
【iPhone 15(拡大)】

【iPhone 15 Pro(拡大)】

拡大しても、やはりiPhone 15 Proはノイズが少なく、iPhone 15は微細な星まで写し出すという根本的な違いは変わりません。
【iPhone 15 編集後】

(編集項目:コントラスト 30, 精細度50)
【iPhone 15 Pro 編集後】

(編集項目:コントラスト 30, 精細度50, 彩度 -75, 自然な彩度 75, 暖かみ -75)
iPhone 15 Proはここでも編集に一手間かかります。しかし、両機種で撮れた写真は全く異なる雰囲気の作品に仕上がります。
まとめ
今回の比較から、スペックの高いiPhone 15 Proが必ずしも星空撮影において有利ではないことがわかりました。両者には明確な個性があります。
iPhone 15
「無数の星が輝く、迫力ある一枚」が撮れる
ノイズはやや多いものの、小さな星までしっかりと写し出し、ダイナミックな星空を表現するのが得意です。編集もシンプルな調整で済みます。
iPhone 15 Pro
「ノイズの少ない、滑らかで美しい画質」
強力なノイズ除去により、クリアで美しい夜空を撮影できます。ただし、微細な星が消えやすい点や、色調整をする際は少し手間がかかります。 結論として、一概にどちらが優れているとは言えません。ご自身の好みに合った一台を選んで、美しい夜空の撮影を楽しんでください。