※本記事中にプロモードは推奨しない旨の記載がありますが、近日中に「推奨」に変更予定です。
Galaxyシリーズのカメラは進化を遂げ、ちょっとした工夫と設定次第で本格的な星空写真が撮れるようになっています。特に「天体写真モード」と「ナイトモード」を使いこなせば、驚くほど鮮明な星空がスマホに収まります。ここではGalaxyを使って星空・天の川を撮影する「天体写真モード」、「プロモード」、「ナイトモード」の3つの方法を紹介し比較します。それぞれの特徴やメリットも詳しく解説。最も効率的かつキレイに撮れるおすすめの撮影方法もご紹介します。
なお、ソフトウェアのアップデートや新機種の登場などにあわせて、内容を随時更新しています

非常に綺麗な天の川と星空が写されていますが、これはGalaxy S23Ultraで撮影されたものです。以前はこのような写真は撮れなかったと思いますが、ソフトウェアのアップデートで可能になったと思われます。天の川や星空はもちろんのこと、特に注目したいのが、星一つ一つの色の違いです。これは単なる偶然や画像処理の結果ではなく、実際の恒星の表面温度によるもの、つまりスマホが“本物の宇宙の色”を捉えていると考えられます。当初はスマホのカメラで恒星の表面温度など捉えられるとは思っておらず、偶然やソフトウェア処理の結果と考えていました。しかし次の写真で、スマホで星や天の川の本物の宇宙の色を捉えていると考えるようになりました。

全体的に赤みを帯びているのは、Galaxy内のホワイトバランスの設定などで自動的に行われた結果です。この写真で目の前にある水面に映っている星を拡大します。

そもそも水面に星を映し出せること自体が素晴らしいですが、星の色の違いまで夜空と同様にしっかりと捉えています。これは高性能なカメラ機能の結果のように思えます。
なおソフトウェアアップデート前ではこのような写真が撮れていました。

こちらも美しい星空が撮影されていますが、ソフトウェアアップデート後の写真とは印象が異なります。現在では、星一つ一つの色の違いまで楽しめるようになりました。ぜひ、Galaxyでこの感動的な体験をしてみてください。
Galaxyで天の川や星空を撮影する方法は主に3つあります。Expert RAWの天体写真モード、プロモード、そしてナイトモードです。それぞれに特徴があり、撮影できる写真のクオリティにも違いがあります。それぞれのモードの違い、撮影方法を解説して最適な撮影方法を提案します。
どのモードで撮影する場合でも、スマートフォンは三脚でしっかりと固定するのが理想的です。また、できるだけ街明かりの少ない暗い場所で撮影するようにしましょう。
天体写真モード
星空撮影に特化したモードで、最も高品質な天の川や星空の写真を撮りたい場合におすすめです。撮影後の編集もしやすく、本格的な天体写真を楽しめます。
カメラアプリを開き、右下の『その他』をタップして、『Expert RAW』を選択してください。その後、指示に従ってダウンロードを進めることができます。また、Galaxy Storeから直接『Expert RAW』アプリをダウンロードすることも可能です。

撮影手順
カメラの設定:
- 再度カメラを起動し、右下の『その他』から『Expert RAW』をタップして開きます。
- 解像度と保存形式の設定


画面上部で解像度は12MP、保存形式はRAW/JPEGを選択します。
2025年6月時点では天体撮影モードでの解像度は12MPしか選択できないようです。しかし、それで問題ありません。12MPは12メガピクセル、1,200万画素を意味しています。高画素であるほどに写真が綺麗になると思われがちですが、そうではありません。そもそも1,200万画素の段階でその画素数を表示できるディスプレイは非常に限られています。そのディスプレイがあったとしても人間の目が識別できないことが多く1,200万以上の画素数は必要ありません。また高画素であるほど暗い場所での撮影に弱くなり、スマートフォンでの限られた時間内での処理は、1,200万画素の方がむしろ適しています。
天体写真モードの設定:
画面右下にあるマークを選択します。

天体写真モードを選択します。

天体写真モードを選択すると撮影時間が選べます。撮影時間が長いほど、より綺麗な星空、天の川写真を撮影できると思いましたが、比べても差はほとんどわかりませんでした。このため撮影時間は『短い』を選択して問題ないと思います。

画角の設定します。星空全体をフレームに収めたい場合は『UW』を選択します。『W』だと画角は狭くなりますが、天の川などとても綺麗に写ることが多いです。

左下からフォーカスを設定することもできます。しかし設定を変えてもあまり差がないと思いますので必須ではありません。

『マニュアル』は難しいので『中央』か『マルチ』を選んでおけば問題ないでしょう。

撮影:
スマートフォンを三脚にしっかりと固定し、撮影ボタンを押して待ちます。三脚がない場合は、スマホを安全な場所に立て掛けると良いでしょう。
画像の編集:
- ギャラリーアプリを開き、アルバムから『Expert RAW』を選び撮影した画像を選択します。
- 鉛筆アイコンをタップし、必要に応じて簡単に編集を行います。

- 編集が完了したら『完了』を押して『コピーを保存』をタップします。


Galaxy S23 Ultraを使って完成したのが以下の写真です。

もちろん、これでも十分綺麗ですが前半に紹介した画像と比べると色が失われています。その場合、ギャラリーアプリの『Expert RAW』での編集時に『彩度』を調整することで色を復活させることもできます。ただ、ソフトウェアアップデート後は同時に保存されるJPEGでも十分に綺麗になりました。RAWを編集せずともJPEGだけで十分に星空、天の川、星の色を映し出せることあります。ぜひ色々と試してください。
プロモード
シャッタースピードやISO感度などを細かく手動で設定できるため、自分のイメージに合わせた写真も追求できます。 ただし星空撮影においては他のモードにクオリティで劣る可能性が高いです。
撮影手順
カメラアプリを開き、右下の『その他』をタップして、『プロ』を選択します。

ISO、シャッタースピードなどを調整できます。なるべく明るくする場合はISOは高く、シャッタースピードは30秒など長い時間を設定します。

ナイトモード
一般的に夜景などの撮影に使われますが、星空のようにさらに暗いシーンでは難易度が高く、ナイトモードでは厳しいのではと思っていました。ところが、ナイトモードには隠れた設定があることが分かり、それを活用することで、手軽でかなり美しい星空写真を撮影することができました。
撮影手順
カメラアプリで右下の『その他』をタップし、『ナイト』を選択します。

左端に撮影時間が表示されおりますが、ここをタップします。

最大〇〇秒を選択します。

ここまで設定を終え、暗い場所でスマートフォンを三脚などにしっかり固定してしばらく待つと、露光時間が25~30秒に自動的に設定されます。調べたところ、販売会社のカタログでも露光時間は最大15秒などと記載されており、ほとんど知らていない設定かと思われます。また、すべての機種で確認したわけではないため、お使いの端末でも同様の設定が表示されるか、ぜひ試してみてください。

撮影方法による仕上がりの違い
それぞれのモードで作例が以下の通りです。
天体写真モード

プロモード

ナイトモード

まず、プロモードは他のモードと比べて明らかに画質が劣るため、星空撮影にはあまり適していません。基本的に選択肢から外して構わないでしょう。
一方で、天体写真モードは天の川をくっきりと写し出し、小さな星も比較的よく捉えています。ただ、ナイトモードでもかなり美しい星空を撮影できるのが印象的です。特に魅力的なのは、天体写真モードでは撮影に数分かかるのに対し、ナイトモードは約30秒で撮影が完了する点です。
さらに、Galaxy S25 Ultraでは、天体写真モードよりもナイトモードの方がきれいに撮れるケースも多いように感じました。機種や状況によりナイトモードの方が綺麗に撮れることもあるかもしれません。
以上を踏まえると、Galaxyで天の川や星空を撮影する際は、まずナイトモードで撮影してみるのがよいでしょう。その写真で傾きがなく、天の川や星がしっかり写っているかや構図などを確認したうえで、問題なければより高品質な撮影を狙うなら天体写真モードに切り替え、撮影時間を『短い』に設定するのが効果的です。
最終的には、ナイトモードと天体写真モードで撮影された写真を見比べて、どちらが好みかで使い分けるかが最適な手順かと思われます。
なお、過去にGalaxyと一眼カメラで撮影された写真の比較もしているので参考にしてください。
まとめ:Galaxyで星空・天の川を撮影するなら
プロモードは画質的に不向きなため、星空撮影では基本的に使用しなくてOK。
天体写真モードは高精細で、天の川や小さな星までくっきり写せるが、撮影に数分かかる。
ナイトモードでも非常に美しい星空が撮影でき、撮影時間も約30秒と手軽。
Galaxy S25 Ultraなどでは、ナイトモードの方が天体写真モードよりもきれいに写る場合も。
最適な流れとしては、まずナイトモードで撮影・構図確認 → 問題なければ天体写真モードで仕上げ撮影がおすすめ。
最終的には、好みに応じてナイトモードか天体写真モードを選択すればOK。